近接センサ 一般使用上のご注意
周囲金属の影響
近接センサはシールド・非シールドタイプで周囲金属の影響が異なってきます。
一般的にシールドタイプは金属直付け、埋め込みは可能ですが、非シールドタイプは周囲に金属がありますとその金属の影響を受けて検出距離が増大し、復帰不良などが生じますので各形式で規定している距離以上を離して設置することが必要です。
相互干渉
近接センサ(静電容量形近接センサ含む)は高周波発振回路を使用していますので、複数の近接センサを並列設置又は対向設置でご使用になる場合は各形式に規定している距離以上を離して設置することが必要です。
なお、相互干渉の為、使用周波数を変更した異周波数タイプ(Bタイプ)を用意しています。
複数ご使用の際には異周波数タイプと組み合わせてご使用いただくことで設置距離を縮める事ができます。(静電容量形近接センサの異周波数タイプは有りません)
検出体の大きさ、材質及びメッキについて(静電容量形センサは除く)
- 検出距離は各形式で標準検出体の大きさを設定しております。
この大きさが小さくなりますと検出距離も低下してきますのでご注意下さい。 - 材質については一般的には標準検出体を厚み1mmの鉄板(磁性金属)としております。非磁性金属の場合は材質により検出距離は20%~80%に低下しますので、予めご使用前にご確認の上ご使用下さい。但し、箔状のもの(0.01mm以下)については渦電流の表皮効果により、磁性金属に近い検出距離が得られますが、蒸着膜の様に極端に薄く導電性が得られない様なものは検出できませんので、予めご確認の上ご使用下さい。
- 検出体にメッキを施されている場合は、メッキの種類により検出距離が低下します。予め検出距離をご確認の上ご使用ください。
なお、金属面に絶縁体の塗装類を塗布する場合は特に検出距離の変動は有りません。
使用環境について
- 急激な温度変化が繰り返し発生する場所、屋外での使用及び直射日光の当る場所での使用は内蔵部品及びケース類を劣化させますので、ご使用はお避け下さい。
- 薬品、有機溶剤等が飛散する場所でのご使用はお避け下さい。
- センサの設置場所の近くにモータ、溶接機、ソレノイド等の大きなサージを発生させる装置がある場合はサージ吸収用のサージアブソーバ等を発信源に取付けて下さい。
- スイッチングレギュレータ電源をご使用の場合は必ずFG端子をアースへ接続して高調波が発生しないようにして下さい。
- 近接センサ(静電容量形近接センサ含む)は高周波発振回路を使用していますので、センサの設置場所の近くで高周波機器(ウェルダー、インバーターモータ、放送局の近傍)を使用の際は誤動作する事が有りますので、設置金属及び周囲の金属等は確実にアースへ接続してご使用下さい。
配線について
- 誤結線は内部回路を破損させますので、電源投入前に正しく配線ができているか確認をして下さい。
- 配線でコードを延長される場合は電圧降下の影響を少なくする為、断面積の大きなものをご使用下さい。
なお、コードを延長される場合は線間容量により出力波形に歪みを生じる事が有りますのでご注意下さい。 - 配線の際、高圧線、動力線と平行に配線されますと誘導ノイズにより、誤動作や破損の原因となる事が有りますので分離または単独金属配管など行ってご使用下さい。
使用される負荷について
- センサの出力はトランジスタを使用していますので、突入電流の大きいランプやモータ等の誘導負荷を開閉されますとトランジスタの劣化及び破損させる事が有りますので、その際はリレー等を介してご使用下さい。
貫通タイプ近接センサの耐静電気について
- パチンコ玉は必ず「IN」の表示のある面から通過させるようにして下さい。
パチンコ玉が周囲の樹脂等と摩擦で帯電した静電気をセンサ通過時に静電シールド板へ放電させ回路を保護します。
取付
- ネジでセンサを取り付けた後にネジの緩みが起きる(ことが想定される)場合には緩み防止の処置をして下さい。
バネ座金を用いる場合は平座金とネジ頭の間にバネ座金を用いて下さい。センサに直接バネ座金を使わないようご注意下さい。
静電容量形近接センサのコモンモードノイズ対策について
本センサは原理的にセンサの電極と、大地(アース)との間の静電容量を検出して動作しますので、大地(アース)に対して数100KHz以上の高周波電圧(コモンモードノイズ)がセンサの電源ラインに重畳しますと、センサが干渉し検出感度が高くなったり、常時検出状態になる等の誤動作を引き起こしたり、内部の部品が劣化する等の不具合を起こす可能性があります。
コモンモードノイズの発生源としては、以下のものがあります。
- インバータ装置(例:インバータモーターやパルスモーター用の電源)
- バイブレータ
- スイッチング電源
- 無線機器
- マイクロ波発生器
- 大電力の送信アンテナ
など、それらの配線も含まれます。これら発生源の装置のすぐそばで接地することでコモンモードノイズを外部に出さないことが大切です。
センサの電源ラインにコモンモードノイズが発生しないようするため、センサのGND(0V)を直接大地(アース)に接続するか、または1,000pF以上の十分な耐圧を持つコンデンサを介して大地(アース)、または大地(アース)に対して十分な静電容量を持つF.Gに接続するようにして下さい。なお、機器本体の架台を介して大地(アース)に接続する場合は、接触抵抗が発生しないようにしっかりと電気的に接合して下さい。 ノイズには他に電源ライン間に発生するノーマルモードノイズ(ディファレンシャルモードノイズともいいます)がありますが、たとえ電流やケーブルループ面積、周波数が同じ条件であってもコモンモードノイズはノーマルモードノイズに比べて電界強度が約100倍(100MHz)~約10,000倍(1MHz)も大きいので、単にコモンモードノイズが乗っているラインとセンサの配線との間を少し離すだけの対策は推奨されません。コモンモードノイズを防ぐためには、シールド付きケーブル等を用いたり、さらに効果的に防ぐためにはシールドを適切に接地することが重要です。
静電容量形近接センサの電源について
センサ電源のGND(0V)側を直接或いは1000pF程度のコンデンサを介して大地アース又は、大きな金属筐体に接触不良が起きない様
完全に接続して下さい。
- DC/DCコンバータをご使用の場合はセンサ電源GND(0V)側を直接、或いは1000pF程度のコンデンサを介して大地アース又は大きな金属筐体に接触不良が起きない様完全に接続して下さい。
もし、上記の接続が出来ない場合は1次側DC電源のGND側に接続してください。
- AC/DCコンバータをご使用の場合、或いは静電容量形センサ電源のGND(0V)側を上記の様な大地アースや金属筐体に接続出来ない場合、1次AC電源側に1000pF程度のコンデンサを介して 接触不良が起きない様完全に接続して下さい。
※尚、コンデンサの耐電圧は充分安全が確保出来る仕様のものを用いて下さい。
静電容量形近接センサの取付けについて
- 検出物体の導電率・誘電率及び体積等で検出距離が異なりますので、予め被検出物体で検出距離をご確認の上、誤差を考慮した設定でご使用下さい。
また、誘電率の小さい物体が検出面上に設置される場合、又は堆積する場合は、 物体の量によっては復帰不可等の不具合が生じることも有りますので、予め不具合が発生しないことを確認の上ご使用下さい。 - 検出面に水滴が付着した状態や温度差で生じる結露及び氷結が生じた状態で使用されますと、その影響で復帰不良等になることがありますので、ご注意下さい。